温泉権裁判の報告

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(株)天ケ瀬五馬　＞　温泉権裁判の報告　＞　平成２４年（ヨ）第２号事件

本件は、

債権者井武志が、温泉水道施設の共有権に基づいて、これまで管理してきた債務者中央農林に対し、温泉水供給管の止水栓を開栓することを求め、又は債権者自ら同止水栓を開栓することを妨害してはならないことを求めるものである。
また、井武志が、事故の温泉水道施設の共有権に基づき、および、共有者である他の分譲地所有者らの管理委託を受けた管理会社である申立外株式会社天ケ瀬五馬の代表取締役として他の共有者の共有権に基づく共有物の保存、管理権に基づき、源泉地の所有名義人になっている債務者加藤利彦、同株式会社宝林、および中央農林、ならびに、これまで分譲地所有者らの委託に基づき管理をしてきた中央農林に対し、温泉水道施設のうち源泉地およびタンク室敷地に立ち入り、各土地内の温泉水道施設を点検し、保存し、管理することを求めるものである。
また、井武志は、物件目録（１２）ないし（１４）の土地内に設置された共同浴場について、共用施設としての共有持分権または共同利用権を有しているところ、中央農林は、平成23年1月以来、中央農林との管理委託契約を解除して天ケ瀬五馬に管理を委託した分譲地所有者には共同浴場の使用を拒絶しているので、共同浴場の土地の所有名義人である中央農林及び加藤利彦に対し、共同浴場の使用を妨害しないように求めるものである。もとより、井武志以外に、共同浴場の共同利用については他の別荘地所有者全員が共用施設としての共有持分権または共同利用権を有する。

として、大分地方裁判所日田支部に「不動産仮処分命令」の仮処分を申し立てたものです。

平成２４年３月２６日（金）、１０時３０分より、大分地方裁判所日田支部で、株式会社天ケ瀬五馬と株式会社中央農林都の暫定合意（本訴裁判終了までの間の暫定）の話し合いが行われ、４項目の条件を付けて、本訴（第１陣訴訟・第２陣訴訟）終結までの間の「暫定合意成立」となり、それに基づいて、電気代と燃料代の負担分を支払い、八景舟石台の温泉利用が可能になり、全員の共同浴場利用が再開されました。

これにより、株式会社天ケ瀬五馬が裁判所でも正式に当事者として認められ、平成２２年１２月２３日付の中央農林との契約解除を前提として電気代等の実費負担が認められ、共同浴場の相互利用管理を認められました。
また、中央農林が主張した平成２３年１月から１２月までの電気代は、暫定合意の対象から外れました。

これに伴い、中央農林が１７２名の建築者オーナーを債務者として訴えていた「平成２３年（ヨ）第６号　管理費仮払い仮処分申立事件」の仮処分は、暫定合意成立により、中央農林が申立を取り下げました。

暫定合意により、中央農林と天ケ瀬五馬の間で、

①　「中央農林は、天ケ瀬五馬に対し、平成24年3月30日限り、「八景舟石台」に温泉を供給している水中ポンプの修理を行う」

②　「中央農林は、天ケ瀬五馬に対し、天ケ瀬五馬に管理を委託している分譲地所有者が別荘地内に設置された共同浴場を利用することを認める。但し、利用方法については、事前予約とし、天ケ瀬五馬に管理を委託している分譲地所有者らは天ケ瀬五馬を通じて予約の申し込みをし、中央農林に管理を委託している分譲地所有者らは中央農林を通じて予約の申し込みをし、各担当者において公平に予約の調整を行う」

③　「中央農林は、天ケ瀬五馬に対し、暫定的に源泉地及びタンク室の管理を維持・継続することに鑑み、今後、分譲地所有者らへの文書配布その他の方法により、「天ケ瀬五馬は管理をしていない」、「天ケ瀬五馬は管理をすることができない」などという趣旨のことを述べて、誹謗、中傷しない。」

④　「当事者双方は、本件に関し、互いに誹謗中傷しないことを約束する。」

との内容が、合意条項として記載され、また、株式会社天ケ瀬五馬が裁判所でも正式に当事者として認められ、平成22年12月23日付の中央農林との契約解除を前提として電気代等の実費負担が認められ、共同浴場の相互利用管理を認められたことから、平成24年3月28日付で申し立てを取り下げました。